PexelsのNick Bondarevによる写真
女性の性周期は
「生理が始まった日から、次の生理が始まる前日。」
であり、
平均で25~38日周期だと言われています。
仮に、
28日周期だとして
“28日間=672時間”
正常に排卵をしている人でも、
672時間という時間の中で
受精に至ることが出来る時間は
5〜6時間しかないことをご存知ですか?
まず、
とても簡単に
妊娠の仕組みを解説すると、
“女性の卵子と男性の精子が出会い、
受精をし、子宮内に着床すれば妊娠成立。”
となります。
ここまではなんとなく知っている、
という方も多いでしょう。
次に、
排卵日(危険日)という言葉を
聞いたことがある方も少なくないかと思います。
女性の卵巣から卵管へと
卵子が移動することを、
排卵といいます。
女性の排卵は、月経から次の月経までの間に1度あります。
https://jp.rohto.com/learn-more/pregnancy/ovulation/factor/
精子と卵子が受精して妊娠に至る、
ということを知っている方は多くても
卵管で受精する、ということを
知っている方はあまり多くないのではないでしょうか。
卵子は自分から動くことができないため、
排卵された後は、卵管にて
精子が来るのを待ち続けることとなります。
さて、
それでどうして一回の性周期の中で
妊娠へ至る前段階、
受精をすることが出来るタイミングが
“6時間”しかないかというと、
「卵子には寿命があるから」です。
排卵された卵子の寿命は
およそ24時間と言われています。
卵子の寿命は排卵後24時間で、24時間以内に受精しないと、卵子は死んでしまします。
https://kiba-park.jp/column/c06-0624/
その中でも、さらに、
受精が可能だとされている時間は
たったの5〜6時間しかないのです。
受精可能な卵の期間は昔は排卵後約1日と言っていましたが、現在は5~6時間という意見が主流です。
https://ivf-asada.jp/huninqa/cat208/
つまり、
平たく言うと
このたった6時間の間に、
女性の卵管にある卵子と
男性の精子が出会うことができなければ
この周期での妊娠は不可能、
ということになるのです。
“奇跡っぽいけど、
でもみんなすぐ妊娠するよね?”
“じゃあ、
できちゃった結婚が多いのはどうして?”
と思った方もいらっしゃるでしょう。
その理由も
簡単に説明すると、
精子が受精できる期間は
3日間程度あるからなのです。
一方、精子の寿命は女性生殖器の中にいると、約3日間です。
https://kiba-park.jp/column/c06-0624/
ざっくりにはなりますが、
女性の性周期を28日だと仮定して、
男性の精子の寿命を丸3日間だとすると
一度の性行為をして、
72時間以内に女性が排卵をすれば
妊娠に至る可能性は大いにある
ということとなるのです。
※厳密に言うと精子が卵子にたどり着く時間等もかかります。
膣の中に入った精子は、1分間に2~3mmの速度で前進していき、射精後約1~2時間ほどで卵管にいる卵子のところにたどりつきます。
https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/shittemiyo/premama.html
もちろん、
精子と卵子の寿命は
人によって、時によって、
大きく個人差があります。
精子や卵子がとても健康だったりすると、
体内で生き延びる期間が
長くなることもあるでしょうし、
性行為の回数が多かったり
毎日の様に行為を重ねていれば、
当然、
精子と卵子が出会う確率も高くなりますよね。
とはいえ、
これまで説明してきたように
排卵した時に
精子が女性の体内に残っていたり、
排卵直後に
精子が卵子の元へたどり着かなければ、
受精をする可能性はとても低くなります。
そして、
なんといっても一番難しいのが、
“排卵日を特定”すること。
排卵のタイミングは、
おおよそ“生理から2週間後”
と言われることが多いですが、
ちょっとしたストレスや多忙、
睡眠不足、栄養が足りていなかったり
生活リズムの崩れなどによって
簡単に1.2日程はズレてしまうものですし、
生理は来ているのに
排卵はしていない、という
無排卵の状態に
気づかないうちになってしまうことも
よくあることなのです。
妊娠するために
排卵日をしっかり特定したい、
という方ならば
基礎体温を付けたり、
婦人科で卵巣をエコーで診てもらったり、
排卵検査薬を使ってみたりと方法はありますが、
妊娠を避けたい、という方ならば
ピルの服用が、
今の自分のため
未来の自分のため
相手のため
周りの人たちのため
になるのではないかと筆者は思います。
少しシビアなお話になりますが、
2016年度の人工妊娠中絶件数は168,015件。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/16/dl/kekka6.pdf より
一方、
2018年度に生殖補助医療(ART)と呼ばれる
体外受精等の高度な不妊治療を行なって
妊娠、出産に至った子供の数は56,979人。
https://j-fine.jp/infertility/about.html より
若い世代の望まない妊娠や、
知識不足による不妊ならば、
多くの人が
小さくても正しい知識を持つことで
減らすことが出来ると筆者は考えます。
避妊をやめたら妊娠する、は間違い
https://fcheck.f-treatment.co.jp/column/10/
例えば、高校とか大学の時に、避妊の話を聞くでしょう。「コンドームをしよう、ピルを飲もう」と。だから、みなさんは、それをやめればすぐに妊娠すると思っているのですね。実際はそうではないんです。
妊娠しない方がいい時期に妊娠を避けるという事は大切なことではありますが、避妊を止めたらみんな100%妊娠するのかと言われると、そんなことはないのです。そんなことはないということを教えてもらっていないのです。
だから、年齢と共に妊娠する可能性がどんどん下がっていくという事も避妊教育と同時に教えていく必要があるのです。
誰しもが、色々な可能性を考え、
できるだけ自分の生きやすいであろう
望んだ道を選ぶべきだと思いませんか?
筆者自身、
もう複数年妊活を続けています。
同じように、
妊娠適齢期なのにも関わらず
不妊治療を続けている人は少なくありません。
ですが、まだ、早いうちに、
妊娠適齢期に不妊を知れただけ
よかったのです。
「6/672時間」しか
妊娠する時間はないなら、
案外妊娠しないもんなのかもー
と思うか、
一度の性行為で「72/672時間」
妊娠する可能性がある、
と思うか。
「6/672時間」しかチャンスがない
と思うか、
もっと「72/672時間」よりも
寿命が長くなるよう心がけよう
と思うか。
考え方ひとつで
人生は大きく変わります。
妊娠を望んでいない人も、
妊娠を望んでいる人も、
いずれは子供が欲しいと思っている人も、
これらのことは
学校では教えてくれない
なのに、
男性でも、女性でも、
知っておくべき知識なのです。