Pexels の David Rama による写真
今やお年寄りだけのものでは
無くなっている
「大衆演劇」。
週末の劇場へ足を運ぶと、
上は、
介護施設の御一行様方から
下は、
まだあどけない中学生まで
幅広い年齢層の女性たちが
同じ舞台上を夢中になって眺めていますよね。
そんな、大衆演劇の
常連さんにまつわる
“あるある”
をご紹介したいと思います。
カメラロールがカラフルになる
本格的な一眼レフで撮影する人もいれば
iPadで一生懸命撮影している方もいますよね。
それでもやはり一番多いのは
手持ちのスマホで写真を撮る人。
好きな曲で踊っている時や
好きな着物での舞踊だと、
撮るつもりはなくても
ついつい写真を撮ってしまうことも。
一番多いのは
SNSに載せる為だったり、
遠方のファンの方へ送ってあげる為に
撮影をする人が多いのではないでしょうか。
そうなると尚のこと、ついつい
たくさんシャッターを切りがちで
観劇後には
着物と照明の色で
カメラロールがカラフルになりがち。
そして、その写真を
あまり見返すことがないのも
あるあるですよね。
まったく違う年代の友達が出来る
いつも同じ劇場に通っていたり
1つの劇団のファンになると
必然的に、
よく会う人が増え
よく話す人が増え
連絡先を交換して
つい長話。
なんてよくあることですよね。
昼夜観劇の時は、
一緒に喫茶店へ行ったり
遠征の時は、
一緒にご飯を食べに行ったりと
年齢は親子、孫と祖母ほど違っていても
同じ趣味を持っているだけで
これ程までに親しくなれることを
嬉しく思うことも。
男性と女性の区別がつくようになる
観劇初心者の頃は、
「この役者さんは男性?女性?」
と、首を傾げてしまうこと
ありませんでしたか?
特に小柄な男性の役者さんが
踊る女形や、
低い声で凄める
女性の役者さんの子分役など。
徐々に、
サラシの位置や喉仏、足を見て
把握できるようになりがち。
トイレの洗面台が化粧直しの人で埋まる
舞踊前の休憩時間や、
ラストが終わってすぐのトイレでは、
送り出しに備えて
メイク直しパーティが開催されがち。
トイレを使用して
手を洗いたくても洗えないもどかしさ。
多くの人が経験したこと
あるのではないでしょうか?
観劇後、手に残る役者の残り香
送り出しでは、
多くの役者さんが自ら手を出し
感謝の言葉を述べ握手をしてくれますよね。
そして帰路についている時などに
ふと、自分の前髪に手を当てれば
ふわっと香る、香水の匂い。
匂いというのは、
五感の中でも特に記憶に残るものだそうで
好きな役者さんが
いつもつけている香水の匂いが
自分の手からしようものなら、
またすぐにでも
会いに行きたくなってしまう。
そんな魔法に
まんまと引っかかってしまいがち。
中年役者の色気がたまらん
10代20代の役者さんが踊る
元気で可愛らしい女形もいいですが、
30代後半〜50歳前後の役者さんが
艶っぽく舞う女形の色気には、
観ていてついつい口角が上がってしまいがち。
こんな時ばかりは、
見ているこっちの方が
「えぇのぅ〜」
なんておっさんのように
口走ってしまいそうになる程。
実際は、
踊っている方がおっさんなのに。
流行っている曲を若い役者の舞踊で知る
某韓国のイケメングループが流行った時は
どの劇団を観ても誰かしらが
ヒット曲を舞踊に使っていましたよね。
若い役者さんは特に、
流行りを察知することも早く
“知らない曲だな〜”
と思いながら舞踊を見ていると
サビの部分で、
“あ〜!この曲ね!あのCMの!”
となることも多々。
繁華街にある劇場の夜の部は客席が賑わう
劇場近くの居酒屋さんや
飲み屋さんとの付き合いがある劇団も多く、
夜の部にはお店の人が
観劇に来ていることもよくあり、
お花やハンチョウが飛び交ったりと
いつもとは違う雰囲気で賑やかになることも。
仲の良い人が観劇に来ていると
役者さんたちも楽しそうにしている時
ありますよね。
大入りの数で人気を図る
多くの劇場に張り出されている
「今年の大入り枚数」
各劇団それぞれの個性が出た
大入り袋が張り出され、
一ヶ月間で大入りとなった数が
明記されている為、
トイレに行ったついでなどに
ついつい見入ってしまいがち。
「〇〇くん頑張ってるね〜」
「△ちゃん独立したんだ!」
などと、
盛り上がる立ち話のネタにも。
名物スタッフや有名なお客さん
センターだと、
支配人の開演前挨拶があったり
劇場だと、
社長や売店のおばちゃんなど
名物スタッフさんとの交流も
楽しむことができますよね。
あとは、
劇団のお客さんにも
有名な方がいらっしゃり、
公演を盛り上げてくれたり
普段見る事ができない
役者さんの一面を見たりと
いつもの公演に
1つ付加価値が付いたような
気分にさせてくれることも。
劇団内の家族構成や親戚について異常に詳しい人
長く同じ劇団のファンを続けている人や
いろんな劇団を幅広く観ている人だと
劇団も公表しておらず
ネットにも載ってないような情報を
教えてくれる人がいたりしますよね。
特に、大衆演劇界は
付き合いがなくても劇団と劇団が
“どこかしらで繋がる親戚”
であることが多い為、
「〇〇座長と△△座長は従兄弟で、
△△座長の奥さんは□□座長の奥さんの妹」
というような関係性もよく聞かれ、
一枚の家系図にしてしまえば、
有名座長の名前がズラリと
並ぶのではないでしょうか。
どうでもいいけど、
なんだか聞いちゃう面白話の1つです。
前売り券を好きな役者から買う
“推しの役者”がいると、
別の役者さんが前売り券販売で
近くに来たとしてもスルーして
“推しの役者”から買いがち。
お金を渡して、
前売り券を受け取って、
おつりを待つ。
たったこれだけのやり取りでも
ファンには嬉しい時間ですよね。
手拍子する派 / しない派
公演を盛り上げる
1つの要素となる手拍子。
ですが、
“劇団のために盛り上げよう!”
と思って手拍子をする人や
“写真を撮るのに精一杯”
でカメラを握りしめている人。
“目に焼き付けておきたい”
と夢中で食い入るように見る人
“ただただボーッと観ていたい”
と心をリフレッシュしに来ている人。
など、
いろんなお客さんがいますよね。
手拍子以外だと
鳴子やペンライト、手作りグッズで
劇団を応援する人も多いです。
時には、
応援の方法で揉め事になることも。
好きな劇団のお芝居でだけ泣く
これは筆者自身のあるあるなのですが、
“推している劇団の
お芝居でしか泣けない”
というもの。
いろんな劇団を観ていると、
とてもいいお芝居をしている劇団があっても
どこか入り込めずに
「いいお芝居だった〜」
で終わることも多く、
反対に
推している劇団のお芝居だと
結末を知っていてもいつも号泣。
なんて事も。
ハンカチは観劇のお供に必須ですよね。
劇場近くのコンビニ行きがち
劇場へ行く前、
飲み物や軽食を求めて
コンビニへ行きがち。
特に夜の部は、
夜ご飯時が開演中であるため
開演前に少し腹ごしらえ。
遠征でいろんな劇場へ行っていても
劇場とコンビニはセットで記憶されていることも。
ここまで15個の
大衆演劇あるあるを
ご紹介してきました。
いかがだったでしょうか。
共感していただける事が
どのくらいありましたでしょうか。
筆者自身、
福岡という土地柄もあってか
幼い頃から家族に連れられ
娯楽の1つとして楽しんできた大衆演劇。
最近では、
SNSやスマホの普及により
お客さんの応援スタイルも
役者さんの仕事内容も
昔とは大きく変化してきました。
その中でも変わらずに
「良いもの」
「良いお芝居」
「良い舞踊」が
直接、受け継がれて行っていることも
大衆演劇の魅力ではないでしょうか。