PexelsのYuliya Strizhkina (Cartier)による写真
以前公開した、
「大衆演劇あるある」
たくさんの方に読んでいただき、
やはり大衆演劇に興味がある人は
潜在的に多いのだと実感させられました。
ということで、
大好評につき第2弾!
今回は少し”深め”のディープな
大衆演劇あるあるをご紹介したいと思います!
年賀状が送られて来るとご贔屓さん
毎年、年明けには
劇場にたくさん飾られる役者たちの年賀状。
どれもそれぞれの個性が出ていて
いつまでも見ていられますよね。
ファンクラブ等ではなく、
あの年賀状が、
自宅に届く様になれば
あなたも立派なご贔屓さん。
どれほどお金を使ったか…
お察しします…
大入りを”買う”
お客さんが沢山入れば、
その日は「大入り」
舞台の最後には
“大入りの手打ち”や”ティッシュ巻き”
などが行われ、
客側は楽しめて、
劇団には箔がつく。
よく観劇に行っている方なら、稀に、
え?これだけしかお客さんいないのに大入り?
と思ったことあると思います。
あれって、劇場によっては
窓口で入場料を払えば払うだけ
前売り券を渡せば渡すだけ
入場した人数としてカウントされるため、
ご贔屓さんが
“可哀想だから大入りにしてあげる”
なんて言って、
架空の入場者が沢山いることも。
劇場・劇団は儲かり
お客さんは盛り上がりつつも
広々観劇できる。
ご贔屓さん万歳ですね。
リクエストは注文
“あの時観たあの舞踊が忘れられない”
“自分の好きな曲で踊ってほしい”
“自分の思い入れのある曲で舞踊してほしい”
好きな役者ができると
誰しもそう思うことがあるのではないでしょうか。
しかも、
大衆演劇には送り出しがあるため
役者本人に直接伝えやすく、
軽い気持ちで
「ねぇ、〇〇はいつ踊るの?」
「△△くんの〇〇が観たいんだけど」
なんて言ってしまいがち。
もし、次の公演で
踊ってくれる様なことがあれば
ちゃんと”お礼”しましょうね。
金は出して口出すな
役者によって、
ご贔屓さんへの対応は千差万別。
お母さんの様に贔屓を慕っている人から、
自分の使いっ走りのようにしている人まで
役者の人間性が見える部分でもあります。
特に多いのは、
“金は出して口出すな”
パターンではないでしょうか。
自分のやり方に自信を持っている人は
どんなに自分にお金を使ってくれている人だとしても
俺に意見するな!という感じ。
金も出すけど口も出す
とはいえ、
ご贔屓さんという生き物は
その多くが年配の女性。
“これだけ貢いでるんだから少しは言うこと聞きなさい”
とばかりに、
贔屓にしている役者を
自分の操り人形のようにしたがる人も。
そして他の客には
「あの子ったら、本当ね〜」なんて
自分の息子のことのように話をする。
ご贔屓さんファースト
劇場でも、
送り出しでも、
観劇後の喫茶店でも、
帰り道でも。
役者も他の客も常に
ご贔屓さん最優先。
一番お金を使っている人が
一番強い世界なのです。
私たち普通の客にも
ご飯やコーヒーを奢ってくれるご贔屓さん多いですしね(笑)
女性はいくつになっても女
一人の役者に惚れ込んでしまうと、
50代の主婦であろうと
90歳のおばあちゃんであろうと
個人舞踊ではうっとり
群舞では目で役者を追い続け
送り出しでは目がキラキラと輝いているもの。
時に恋い焦がれ、
涙に濡れる熟女もいるのが大衆演劇。
夢の中でも
夢だと常に認識していないと
泣くのは自分。
こういったところが
「大衆演劇はホスト」だと
言われる所以でしょうね。
遠征ついでに午前中は観光
1つの劇団にハマり、
遠征までするようになると
日本各地を毎月のように飛び回ることに。
「せっかく、□□県まで来たのだから。」
と観劇友達と観光地に行くのも
大衆演劇遠征の醍醐味。
そして観光地での思い出話を
昼の送り出しで役者に話すのもあるある(笑)
役者は大抵興味なさそう(笑)
普通の旅行では絶対に行かない様な場所に遠征
劇場やセンターって
変っっっな場所にあるんですよね〜
普段なら近寄りもしない様な路地裏だったり、
駅からタクシーで15分20分かかるような
地元の人がターゲットの温泉施設とか。
たまに
劇場近くに昔ながらの商店街があったりして、
縁もゆかりもない土地で
一期一会の出会いがあったりするものです。
遠征の帰りは演歌な気分に
遠征先の劇場を出る時って
なんとも言えない切な〜い気持ちになりますよね。
“まだ居たい!”
“夜の部も観たい!”
“地元の人が羨ましい!”
“観劇友達たちは今晩も盛り上がるんだろうな〜”
“私の知らない△△くんがまた・・・”
なんて思いながら
演歌を聴き遠い遠い家路につくのです。
幕間に別の劇団の話で盛り上がる
客席に一人で座っていると、
近くの席のおばちゃんが
話しかけてくることってよくありますよね。
その大抵は近くに住んでいる
”劇場のお客さん”だったりするのですが、
「毎年何月にくる〇〇劇団がいいのよ〜」
「あそこの△△くん上手になったよね〜」
なんて盛り上がってしまうことも。
応援している〇〇劇団しか観ない!
というポリシーのある方も多いので、
声をかけてしまいがちな人は要注意。
お花をつけるのに必死で楽しめない
普段はお花を付けなくても、
誕生日やゲストの時だけは付ける!
という人も多いかと思います。
筆者も数回、
付けたことがあるのですが
緊張するんですよね〜
個人の曲のイントロが流れた瞬間から
ハッ!と構え、
どのタイミングで行くか様子を伺い、
テケテケと低姿勢で舞台に向かい
ササッと付け握手をし、
そそくさと席へ戻ってからも
大丈夫だったかな!?
変じゃなかったかな!?
落ちないかな!?なんて
ドキドキしたままで
全然舞踊を楽しめな〜い。
なんでそんなにお金持ってるんですか?と聞きたくなる人が結構いる
若い女性でも
ものすごい大金を付けている人や、
普通のどこにでもいるようなおばちゃんが
毎公演舞踊に出てくる度にお花を付けていたり、
先月は他県にいたおばあちゃんが
今月もまた違う県の客席にいたり。
はたまた1ヶ月まるっと
遠征地に来ている人など、
世の中には、
お金持ちと
優しい旦那さんが沢山いるな〜
と思わされる。
闇深そうな送り出し
役者の手を握って涙を流す女性や、
人から見えないところで
コソコソと見つめ合って話す役者と客、
若い女性が役者と
アイコンタクトだけを交わす様子や、
役者から何かを渡される女性。
送り出しを少し離れた場所から見ると
1人1人に物語があって、
そこらの映画やドラマの何百倍も
面白いんです。
劇場近くで役者と遭遇
遠征で劇場近くのホテルに泊まったりすると
夜中にコンビニですっぴんの役者と遭遇したり。
客室があるセンターに泊まると
朝食会場やロビーでばったり会ったり、
温泉で女優さんと裸の付き合いをしたり。
夜ご飯を食べに出た帰りに
繁華街で役者とご贔屓さんに出くわしたり。
そんなのも遠征ならではの楽しみ。
いかがだったでしょうか、
大衆演劇あるある第二弾。
ちょっと内容が濃い目でしたが
楽しんでいただけたでしょうか。
深入りすると
結構面倒です
大衆演劇(笑)
役者と客の距離が
いくら近くなったとしても、
役者は仕事客は娯楽
という事は十二分にわきまえて
“趣味”として上手に楽しめると一番良いですよね。