知らないおじさんが亡くなった。【 ジャニー喜多川 氏 】

芸 能

Pexels  Monica Silvestre による写真


架空の人物かもしれない。

ただの都市伝説のような。


そんな、知らないおじさんが、亡くなった。


テレビに出ている人たちが、

揃って「ジャニーさん」と呼ぶ人。


顔も見たことない、

声も聞いたことない、

ステージに立ったことすらない人物の死が、



どうしてこんなにも胸を打つのか。

ジャニーズアイドルから心離れた

筆者の胸すら、打ち鳴らすのは、


どうしてなのか。



日本で生まれ育った

60代くらいまでの女性ならば、

誰しも

” 私の青春時代のアイドル “

がいると思う。


それは、ファンであっても無くても。


筆者自身も最初に好きになった芸能人は

忘れもしない 「堂本 光一」だった。


まだちゃんとした恋愛すら知らない少女達に対して

「ジャニーズ」は、


自分が女であることを知らしめる存在だったように思う。


もっと知りたい。

声を聞いていたい。

姿を見ていたい。

変化に誰よりも先に気づきたい。

いろんな姿を見たい。

話をもっとしてほしい。

関わるものを手元に置いておきたい。


ファンになった、その時から

10代女子の “欲” は溢れ出るばかり。


夢中だった。


その後も、次々とジャニーズから

新しいグループが誕生し、


当然、KinKiが好きなまま

嵐を応援し始める。


そして、もちろん

KinKiと嵐を好きなまま

関ジャニを応援し始める。


ジャニーズはそれをさせる。


テレビへの露出の仕方、

CDの販売方法、

コンサートのパターンも、

毎月どの雑誌を買えばいいのかさえ

同じなのに。


気づけば、

次世代のグループを応援している。


そんな仕組みを作ったのも

ジャニー喜多川 氏 であったのだろう。


ファンが知っている

“ジャニーさん” といえば、


「You やっちゃいなよ」というフレーズや、

事務所の社長であり、
おじいちゃんほどお年を召していること。

タレントが事務所に入るにあたってのエピソードの数々、

タレントが行うモノマネや、

手がけた演出。

そしてギネス記録を持っていること、


くらいだろうか。


本当に少ないことしか知らない。


それなのに、

” 入院 ” という言葉が世間に走った時

多くの人が夢中になって情報を求めた。

筆者もそんな一人だった。


もうジャニーズタレントのファンでなくなってから

15年以上経つというのに。


胸をざわめかせ、心配な気持ちになった。


何もできることなんてない、

自分に影響があるわけでもない。


それなのに、

どうしてこんなに不安な気持ちになるのか。


それは、


自分が大好きな人にとって、

” 大好きな人 “

であったからなのだろう。


そして、

ファンは皆、


“自分とタレントを結んでくれたのはジャニーさん”


そういった感謝の気持ちを

持っている人が多いのではないだろうか。



ジャニーズタレントを応援していると、

「タレントが話すジャニーさんの話」が大好き!

そう思う人、少なくないと思う。


いつも、みんな

イキイキとジャニーさんのことを話し、

話した後、

自分の家族のことを話しているかのような

照れ笑いを皆、浮かべている印象がある。


それはまるで、

自分の好きなタレントが、自分に対して

“ジャニーさんを紹介してくれている”ように。


タレントからの情報くらいでしか、

ジャニーさんのことを知れることが無かったというのが

余計にそうさせたのだろう。



見知らぬおじいちゃんを、

皆が、愛おしく想っている。


本日、行われている「お別れ会」。


「関係者の部」「一般の部」共に、

参列している多くの人が


“ありがとう”


そう、声をかけるだろう。


日本中の多くの見知らぬ人々に

たくさんの感謝の気持ちをもらう、


” ジャニー喜多川 氏 “。


彼が見出したタレント達が

輝き続ける限り、

彼のショーも続いていく。


彼のことを語り継ぐものがいる限り、

彼のショーは続いてゆく。


彼を忘れるものがいない限り、

彼のショーは終わらない。


R.I.P.

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