母親の恋愛を受け入れられないのは「自立」が出来ていないせい?

こころ

PexelsIvan Samkovによる写真


ステップファミリー

という言葉がここ数年で
かなり浸透してきましたね。

80年代以降、離婚とともに再婚も増加、現在では結婚する人達のおよそ4分の1が再婚というデーターも出ており、その中には子どもと一緒に再婚する人も含まれ、多くの子連れ再婚家庭、いわゆる「ステップファミリー」が生まれています。

https://www.pref.kyoto.jp/ksc-soumu/news/press/2014/4/documents/stepfamily.pdf


筆者自身、
正直に言うと

同居する子供がいる者の再婚は
どういった状況であれ反対派でした。


それはなぜかと言うと、

筆者自身が
母一人子一人の母子家庭で育った中で


“母親の恋愛”
“母親の再婚”

そして
“母親の夫となる人と自分との同居”

という行為に
とてつもない嫌悪感を抱いていたからです。

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今ではかなり母子家庭も増え、
もはやマイノリティでも無くなってきていますね。


とはいえ、

筆者の中では未だ
母子家庭というのはやはり
特殊な存在だと認識しています。


母親の苦労、
子供の苦労、

普通”なら
しなくてもいい苦労を
経験しなかった、という
母子家庭経験者はいないでしょう。


いくらお金に不自由がなくても、
いくら周りの人に恵まれても、

苦労するかもしれない可能性は
親か子、どちらかが他界するまで
捨てきれないものなのです。


それ故、
母子の関係が深くなりやすいのも
母子家庭の特徴かもしれません。


もちろん、
母子家庭だからといって
全ての母子が仲が良いわけではなく

どうしてもソリの合わない母子も
”毒親”であるシングルマザーも少なくありませんが、

毒親(どくおや、英: toxic parents)は、毒になる親の略で、毒と比喩されるような悪影響(人生の妨害)を子供に及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す俗的概念である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/毒親


必要以上に仲が良い、

依存共依存のような関係性の
母子も多くみられるように思います。

悪いことではないですよね。
子は、苦労して育ててくれた母に感謝し、
親は、いつまでも子が可愛く心配である。

母子家庭に限って起きるもの
ではないかと思います。


ですが、

母子家庭となると
十二分にあり得るのが

母親の恋愛の自由

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“普通の家庭”ならば
不貞とされることが、

母子家庭だと
自由でしかないのです。


筆者自身は子供の頃、

母親の恋愛に対して
言葉に表せないほどの
とてつもない嫌悪感を感じていました。


“気持ち悪い”
”私のことはどうでもいいのか”
”子供より男が大切なのか”
“どうして自由な時間を私と過ごしてくれないのか”
“知らない人と一緒に住むなんて絶対無理”
”そうするならば家を出て行く”


少しでも母親に男性の気配を感じると

心がグツグツと沸き、
暴力的な衝動にかられ、
孤独感を強く感じ、
涙が溢れるという、

異常なほどの嫌悪感を感じていました。


親子である上に同性でもあり、
自分は何も被害を被っていないのに

ただの嫉妬か、
母親を取られる不安からか、

これまでにない程の
反抗を繰り返していました。


だから、

信じて疑っていなかったんです。

母子家庭の子供は誰しも
母親の恋愛を受け入れられないものだと。

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筆者も成人し、
実家を出て、結婚。


“結婚は人と人ではなく
 家と家とのもの”

とはよくいったもので

夫との暮らしの中でも度々
それぞれの家庭による

価値観の違いや
考え方の違い、
お金の使い方の違い、
親と子の接し方の違い、

について
考えさせられることがあります。


その中でも一番
驚かされてきたことが

親と子の接し方の違い

でした。


私の育った環境は、
母一人子一人の母子家庭。

夫の育った環境は、
いわゆる“普通の家庭”で兄弟もいる家庭。


それだけでも
大きく違うと筆者は思っていたのですが、

もっと違ったのが、
親子の接し方、
密接度の違いでした。


どちらが良い、どちらが悪い、
どちらが深い、どちらが浅い、
という事ではないのですが

筆者からみると
夫親子の関係は
とても冷たく感じるものでした。


私の思う、親と子、
とは大きくかけ離れていて、

“人間同士”
“別の人間”

として付き合いができている
と思ったのです。


そんな環境で育った夫に、

私が感じてきた
母親の恋愛に対する嫌悪感を
ぶつけてみたことがあるんです。


でも、一切
理解してもらえませんでした。

「別によくない?」

程度なものだそう。

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“普通の家庭”で
育ってきた人には分からないんだ!

と思ったりもしつつ、

同じ母子家庭で育った友人たちに
子供の頃どう思っていたか話を聞いてみると


嫌よね
どうでもいい
再婚して欲しかった

と結果はキレイに三分化。


興味深かったのが、

どうでもいい
再婚して欲しかった

と答えた友人の母親たちは、

全員が、
子供が幼い頃から
恋愛を謳歌してきた方達でした。


母親の恋愛に嫌悪感を感じるのって、

母子家庭、
母子家庭じゃない、
というのは関係なく

“どんな親子関係を築いてきたか”
によって、

大きく変わってくるものなんだ。
と強く感じた出来事でした。

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共依存ともいえるような
密な親子関係であるならば

心が親の恋愛を受け入れられず、


反対に、
あっさりしているように見受けられる、
人間同士、というのが
大前提の自立した親子関係であるならば

頭で親の恋愛を受け入れられるものなのかも


というのが
筆者の考え着いた終着点でした。


もちろん、
これは一概に言えず、

子供の年齢、経済状況、
母親の人間性、結婚相手の人間性、
母親と相手が上手くいっているか、

などによっても
大きく変わってくるでしょう。


そしてどんな状況であれ、
子供にとって一番
酷なパターンとしては、

母子の関係が
とても良好だったのにも関わらず、

子供が嫌がっている
恋愛・結婚を母親が
強行し続けるという状況です。


この行為によって
子供は母親に深く傷つけられ、

母子の関係性は破綻、
信頼関係もなくなり
全てが台無しになってしまうこともあるかと思います。


幼い子供は、親のやり方一つで
人生が大きく変わってしまうものですから。


また、子供自身も、

いつか自分が出てゆき
母親が一人になられるよりは

再婚でもしてくれた方が
と頭では分かっていても、

心が追いつかない、
帰れる場所がなくなった、

と寂しい思いをすることもあるでしょう。


特に子供が女性の場合は、

先々のことまで考え
自分の結婚・妊娠・出産で
里帰りができない・しにくい等、

自分に不利益を被るのは避けたい
と現実的に考える方も多いかと思います。

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離婚・再婚が多い現代、

母子家庭の母親が
自分が恋愛を正当化するように
自由」を主張している場面を
ネット上でもよく見かけます。


それと同じ分だけ、

親の恋愛を受け止められない気持ちに
悩んでいる子供の「思い」も
よく見かけます。

特にTikTokなどの若者が多く使う
SNSでは若者の本音が多く吐露されています。


筆者の周りには、
上手くいっているとは言えない
ステップファミリーばかりなので、

正直、
自身に偏見もあると思います。


親の恋愛は子供が自立してからで
良いでないか、と思っていますし

シングルマザーが寂しい、
なんて気持ち私にはわかりません。

そして、恋愛をしないことの
どこが自己犠牲なのかもわかりません。


ですが、
隣の芝生のキレイな面ばかりを見て
比べ、自分も、と安易に考えていないか。

同じ母子家庭でも
親子関係はそれぞれに違うもの。

見なければならないのは
一番大切な
「自分と子との関係」、
「子の本心」であること。

子供と大人が感じる
傷の深さは大きく違うということ。


これらを
見て見ぬ振りしたり、
子供の考え方を変えようとするばかりの
大人の姿は
とても滑稽で浅はかだと思うのです。


母子の関係性に合った
現実的な選択が出来ているか、

子供を苦しめることはないか。

恋愛をしたいシングルマザーも
恋愛をしていないシングルマザーも、
一度は考えてほしいと感じています。


子供から再婚を
支持してくれる場合もあるでしょう。
互いがそれを望むなら、
子供の将来のためにも
相手を探すことを始めても良いのではないでしょうか。

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生まれ育った環境で、

普通の家庭”と同じ安心感を

子供に与えられていることは
シングルマザーとして
とても大きな自信となりうるでしょう。


筆者には「親の恋愛」に関して
子供目線でしか話せることはありません。

だからこそ、

「親の恋愛」で
辛い思いをしている子供たちに
寄り添いたい気持ちでいます。

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